米国 医療機器 規制緩和いよいよ進行
クラスⅡ医療機器の千種以上が510(k)申請不要へ
お久しぶりです。年末から米国はトランプさんに振り回され、日本もいろいろとモラルハザード案件が続出し、世の中一体どうなるのかというところですが、このコラムでずっとウオッチしてきた米国医療機器規制の大幅緩和法案(21世紀治療法)(21stcentury cures act)について具体的な動きが出てきました。 3月17日の米国官報によると
これまで510(k)という規定による市販前承認申請が必要であったクラスⅡ医療機器のうち千種以上が申請不要となり届出だけで良くなる模様です。60日間のパブリックコメント期間がありますので実施は5月中旬以降となります。リストを詳細に見たわけではありませんが、日本では試薬(規制外)や体外診断薬にあたるものも多く記載されており、3ヶ月前に法案が成立した後ずっと期待していた機器メーカーをがっかりさせたかも知れませんが、かなりな数の医療機器が届出だけで良くなります。
米国のクラス分類は、日本と異なり3区分ですが、クラスⅠ=届出、クラスⅡ=510(k)申請、クラスⅢ=PMA申請とクラス分類と認可プロセスが対応しているのですが、これからはクラスⅡであっても届出だけで良いモノが増えていくのか、クラスⅠに分類替えをすると云っているのか、実は、米国官報を厳密に読む力の無い小生には分からないのですが、とにかく規制緩和であることには間違いはありません。
他にもすでに事態は進行しているのを見過ごしたかも知れませんが、21世紀治療法の成立によって実施される具体的な規制緩和の第一歩と思われます。今後の動きを見守ってゆきたいです。
ところで、21世紀治療法は多くの分野にわたっていることは先にも述べましたが、NIH(世界一の医療の総合研究機関)の予算を大幅アップするというのもその一部でしたが、これについては、トランプ政権が打ち出した今年度予算では18%近い大幅なカットという大なたが振られています。研究予算は大削減して産業界は目先の規制緩和をエンジョイするという事ですから、100年とは云わず10年単位で見てもアメリカの国力低下は不可避ということになりますね。日本は本当に米国にぶら下がって生きていくことはできませんね。