昨年初夏米国下院で21世紀cures法案というものが通っています。その上院対応法案が先日委員会を通過しました。米国では、上下両院合意の法案が成立し、それに大統領が署名して、始めて法となるようですので、まだ時間はかかるでしょうが、「間もなく」という話がありました。
これらの法案で云うcuresは、日本で厚労省と医師会がケアかキュアかと云っているのとはかなり違うもののようです。
下院の法案は、ここまで沢山のことが一つの法案に盛り込めるものかと驚く盛りだくさんな内容でしたが、案の定、上院ではいくつかの法案に分割されたのですが、それがなんと19の法案に分割されました。その全部のタイトルすらちゃんと追えていないのですが、昨年秋までは、医薬や医療機器がFDA承認を得るためのハードルが大幅に下げる下院案への懸念が大きく議論されていたのに、どんどん報道が少なくなりいつの間にか陰を潜め、NIHの研究費を大幅に増額することの是非とその財源論議にどんどんフォーカスして行きました。
一体どのようにして米国民の関心が移っていったものか、不思議です。米国議会は国民の関心のあるところにキチンと応えた議論をするようですが、国民の関心の方向に影響を与えるのは云うまでもなくマスコミやネットです。世論はどのようにして変わっていったのでしょうか?遙か日本から眺めていていたのではよく分かりません。
米国では医療費総額に対し、薬の費用がどんどん高くなっていることや天井知らずの高額な薬が開発されることにようやく懸念の声が起き始めています。医療機器は一体どうなるのでしょうか。そして日本への影響は?遅かれ早かれ現職大統領が署名することになるようで、法案の内容がこの先大きく変わることはないので、今から中味を見ておいても早すぎることはないだろうと思われますが、米国の法案がすらすらと読める専門家が取り組んでくれないかなあ~と、最後は人頼みです。お粗末なオチで済みません。